不定期連載「SOSのある生活①」

梅雨を抜けどうにかじめっとした日々が終わり、自転車をこぐだけで額に汗が込み上げてくる今日はもう7月である。
なんでこんな山の上に高校があるのかという愚痴はもう言い飽きるほど言った。
俺の学力を持ってして入学した学び舎である。文句を言っても自虐にしかならない。
とにかく外よりは涼しいであろう学校を目指し上り坂を一歩一歩踏みしめるだけである。
 
4月に入学して早3ヶ月。1/4年と表現すると、より一層重量を増す。
こんなにもすぐ過ぎ去ったと感じるのは、まぁ今更言う必要も無いだろう。
これから学期末のテストを受け、夏休みに入れば、更なるトンデモイベントに振り回されるのは確実なのだ。
それに比べれば、登校の時間なんてあまりに平和だ。大事に大事にしておきたい――。
本日も晴天なり。善哉善哉。

「キョン君。おはよ♪」
 
夏服の首元をパタパタさせつつ登校していると、後ろから声がかかった。
……何故か聞いた事あるような無いようなそんな声だな。
では、推理を始めよう。

ヒントは3つ。
①明らかに女性のものだった。
②テンションが高めである。
③『キョン君』と呼んだ。

まず①。
これにより谷口、国木田、そして古泉説は除外だ。
まぁ古泉が『キョン君』なんて言ってみろ。振り向き様にバックナックルだ。してそこからキャンセルでサニーパンチだ。

続いて②。
これで除外されるのは長門だ。
そもそも長門のキャラクターで朝俺に会った程度で挨拶をするのか。
見た事は無いが多分思うところに、小さ目の文庫本へ顔向けたままこの坂を上がっていってるんだろうな。
それなら俺の姿は見えないはずだ。よし、Q.E.D.。

最後に③。
これであの唯我独尊女はめでたく外される。あいつは俺を呼び捨てする。

ああ、読者に言っておこう。
俺たちのドタバタ活劇をひとしきり小説で読んでるもしくはアニメーションで見ているという素晴らしい方々なら重々理解していると思うが、現時点で俺は超ロング緑ヘアー豪快ハイテンション先輩、一部ではデフォルメ化されて社会現象にまでなっているあの人とはまだ出会っていない。
こんな説明をするだけ野暮ってものだが、どうやらこれを書いている作者が最近読んだ某小説に影響されて、時間軸的にはありえない筈の解説を本文に挟むパワープレイをしたかっただけのようなので、俺はそれに渋々了解しただけである。

話を戻そう。
んで今までの消去法により誰なのかは把握できた。
あの容姿端麗にしていい意味でアンバランスな体形、SOS団の癒し系ことあさh――

「残念。もう私の声忘れちゃってたんだ?」

……そこには念が残り過ぎて自縛霊までいっちゃったような奴が笑顔で立っていた。
あの、愛用のサバイバルナイフを俺の首筋ギリギリまで伸ばしながらな……。


(続く)
[PR]
by lion-cage | 2007-03-20 20:10 | SS-ハルヒ


<< ToHeart2-1